第23章 再開
落ち着きのある気品とした容姿。
誰からでも愛されるような優しい心と、迷いや汚れのない真っ直ぐで意思の強い心。
周りからの人望が厚いその性格。
例えるなら凛とした一輪の百合の花。
それが"時音"という女だ。
オレはそんな時音の全てに惹かれた。
いつの間にか心を奪われていたんだ……
氷の心を持っていたあの頃のオレでも彼女を好きになったんだ……
それは勿論、オレ以外の男たちも時音に惹かれていくに決まっている。
しかし時音のことを何も知らないクセに、簡単に「好きだ!!」とか言って告白してくるヤツら……
正直言って鬱陶しい。
そんなよこしまな目と下心で時音近づくな!!
オレがこんなにもイライラしているのに、当の本人には全く自覚がない。
いつも告白されていて何故気づかないんだ?
時音は確かに真面目でしっかり者だ。
物事に鋭い部分もあれば、ウソを見破ることもできる。
勿論頭も良いからそれなりに対応できることもある。
しかし恋愛事に天然で鈍感な時音は、相手側から色々と意味を説明しないと理解できない。
そこが危うい。
何度これで悩まされたことか……