第3章 いざ、神世界へ
うっすらと景色が見え始め、気がつくと今まで見たことも無いような所に立っていた。
「着いたよ、ここが神世界だ」
辺りは見渡す限りの草原だが、目の前には異様な光景が広がっていた。
遠くの方に大きな木が一本立っていて、人間の子供が3人その周りを走り回っている。
そのうち一人は黒人のようだ。
あちらこちらに様々な形のテントが張ってあり、そのうちの一つのテントの前でライオンが寝ている。
一方では、宇宙人のような生き物が木製の椅子に座り、分厚い本を読んでいる。
その他には特に何も無かった。
心地よい風が吹いている。
「何なのここ…天国??」
すると突然、後ろから声がした。
「クウ様じゃないですか!」
振り返ると、小さな生き物が二人いた。
だが、見た目は童話の白雪姫に出てくる小人そのものだった。
「やあ、ちゃんと働いてるかい?」
「もちろんです!またお会い出来て光栄です!もしかして、この方がレイナ様ですか?」
麗奈は、いきなり見知らぬ生物に名前を言われてドキッとした。
「何で…私の名前知ってるの?」
「そんなの当たり前じゃないですか!次の神様になられるお方なので、天使は皆知ってますよ?」
天使という言葉を聞いて、麗奈は何もかもが分からなくなった。
「あなた達、天使なの?」
「そうですよ?ここにいるのは、神様以外は全員天使です!」
「え!?あの子供達やライオン、変な宇宙人も、天使なの?」
「はい!!」
麗奈が想像していた天使の姿とは、まるで違っていた。
頭の中の処理は全く追いついていない。