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触れてみたかったから(うたプリ)

第1章 1


カランカラン…
「よーっす。涼子さんいるかー?」
「今度はおチビちゃんか。忙しいね」

乾いたベルは、ショッキングピンクカラーのヴァイオリンケースを抱えた、鮮やかな金髪が眩しい、少し背の低い男の子を迎えた。

「翔くん。いらっしゃい」
「お、いたいた。よっ、涼子さん。レンもいたのか。お前、また涼子さんに迷惑かけてんじゃないだろうな?」

カウンターにおもむろにケースを置いて、イスに腰掛けてくつろぐ。
彼は来栖翔。彼もまたST☆RISHのメンバーだ。

「あいにく、今日はちゃんと用事があって来たんでね。これから子羊ちゃんの接客を受けるところさ」
「あ、なんだそうだったのか。だったら後でいいぜ。店ん中見て待ってる」

そういって翔くんはイスから立ち上がった。

「ごめんね。人が少ない店で。今日はお手伝いのレジの子お休みなんだよね」
「いいっていいて!楽器屋はいつ来ても楽しいからな」
「それはどーも。あ、そういえば定期購読してる月刊ヴァイオリンが届いてたんだっけ。あとで電話かけようと思ったんだけど、ちょうどいいから今渡しておくね。カウンターの机においておくから、店の中飽きたら読んで待ってて」

私はレジの後ろの客注用本棚から「来栖翔様」と書かれたメモ用紙を括りつけた雑誌をカウンターに置いた。

「お!来たのか!ありがとうな!」
「いいえ、ごゆっくり。ちょっと待っててね」
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