第4章 4
「こんにちは、子羊…」
「どこがですかー!私の恋人は楽器ですー!それともなに、一ノ瀬くんが彼氏にでもなってくれるの?顔も綺麗だし頭もいいし歓迎だよ?」
「涼子さん、ちょっと冷静になったら…レン…」
「おや?邪魔してしまったようだね」
見慣れた長身が、こちらをみていた。その顔は一瞬曇っているようにも見えたが、すぐにいつもの優しい笑顔に戻った。
「あ、あれ?予定よりはやくない?ちょうど今から君の楽器を調整するところだったんだけど、よかったら…」
「いや、いい。子羊ちゃんにお任せするよ。じゃあ、また。終わったら連絡いれて」
それだけ告げて神宮寺レンは店から出て行ってしまった。
カラン…