Fake Lovers 【ヒロアカ 相澤 R18】
第2章 ショータイム♡
「は、はい……。あ、あの、VIPルーム……怪しいですよね。あそこに何があるんでしょうか……」
必死に真面目な捜査の話をして誤魔化そうとするだが、距離があまりにも近すぎるため、吐息が相澤の首筋にかかってしまう。
「……そうだな。ブツのやり取りをするなら、間違いなくあの個室だ。……というか、お前、息がかかってる……少し顔を離せ」
「えっ!? あ、ご、ごめんなさい! 離れますね——」
慌てて身体を起こそうとしただったが、そうすると今度は彼女の腰や太ももが、相澤の膨らみのある股間に擦れてしまう。
「っ……! 馬鹿、勝手に動くなと言ってるだろ!」
「ひゃいっ!? す、すみません! でも、どうすれば……っ!」
「大人しくしてろ……っ。……ったく、お前は無自覚に人を翻弄するな……」
相澤は深々とため息をつき、片手で顔を覆った。
耳元が心なしか赤くなっている。
「翻弄だなんて……私、ちゃんと接客の演技をしようと……!」
「その演技がぎこちなすぎて、逆にタチが悪いんだよ。……ほら、お代わりを頼むフリでもして、店員の目を引け」
「あ、はい……! えーっと……お、お客様ぁ♡ お酒、もう一杯いかがですかぁ……?」
「……棒読みすぎる。やり直しだ」
「もうっ! 相澤さんだって、顔が赤くて全然説得力ないですよ……!」
潜入捜査の緊張感と互いに冷めない身体の熱に、どこか辿々しくも甘い空気が漂う中、二人は密かに周囲を警戒しながら、危うい演技を続けていくのだった——。
◇
やがて、店内に閉店を告げる穏やかなBGMが流れ始めた。
長かったようで濃密だった初日の潜入捜査の終わりが近づく。
ボーイが恭しい態度でボックス席にやってくると、一枚の伝票をテーブルに置いた。
「お疲れ様でした。お客様、こちらが本日の御会計になります」
相澤はそれを手に取りパッと目を通した瞬間、その黒い瞳がほんの一瞬だけピクリと揺れ固まった。