第1章 キス
「約束だよ」
「ああ。約束する」
しばらくして、脹相が小さな声で尋ねた。
「……なあ」
「ん?」
「……明日も、帰ってきたら抱きしめていいか」
あまりにも彼らしい言葉に、私は笑ってしまった。
「もちろん。明日も、明後日も。その先も、ずっとね」
そう言って頬にキスをすると、脹相は私を抱きしめたまま、額に優しく口づけた。
「……好きだ」
「私も、好きだよ」
彼の腕の中で、私は目を閉じた。
これからも研究を続けていこう。
自分の未来のために。
そして、大好きな人と一緒に歩いていく未来のために。
脹相が不安になったら、何度だって一緒に考えよう。
これから先、分からないことがあっても、二人で向き合っていけばいい。
そう思いながら、私は彼の手を握った。
今夜はいつもより少しだけ、彼の腕の力が優しく感じられた。