第9章 確認しなければ
「とにかく、彼女だってずっと頑張ってきたんだ。あんたのために研究して、心配して、きっと自分にできることを探してる。少しくらい、その気持ちに応えてあげてもいいんじゃない?」
「……俺は、あいつを大切に思っているからこそ……」
「うん。わかってるよ」
硝子は今度こそ、からかうのをやめた。
「だから、二人でちゃんと話しな。あんたが一人で全部決めることじゃないだろ?」
脹相は黙り込んだ。
彼女を守りたい。
それは間違いない。
だが、自分の不安ばかりを優先して、彼女の気持ちを聞こうともしていなかったのではないか。
そんな考えが、頭の片隅をよぎった。
しばらくして、脹相は机の上の包装を見つめたまま、ぽつりと口を開いた。
「……まあ、何だ」
「ん?」
「……これは、その……一つしかないのか?」
「…………は?」
硝子がきょとんとした。
くわえていた煙草から、灰がぽろりと机の上に落ちる。