第5章 秘密にしたほうがいい
「……だが、今日は早く寝よう」
「えっ?」
思わず顔を上げた。
「……お前を引き留めすぎていたことに気づいた。疲れているのに、俺の寂しさに付き合わせてしまっていたな」
「脹相……」
「すまなかった。これからは、お前が眠いときには、ちゃんと休ませる」
私は驚いたあと、ふわりと笑った。
「……ありがとう。でもね、私も脹相と一緒にいたくて、つい夜更かししちゃうんだよ?」
「……そうなのか?」
「そうだよ。だから、二人でちゃんと気をつけようね」
「ああ」
私は彼の頬にそっとキスをした。
「じゃあ、今日は一緒に寝よう?」
「……ああ」
「でも、その前にもう少しだけぎゅってして?」
脹相は少しだけ困ったような顔をしたあと、私をぎゅっと抱きしめた。
「……それくらいなら、いくらでも」
「ふふっ、大好き」
「……俺もだ」
その夜、私たちはいつもより早く寝室へ向かった。
ベッドに入ると、脹相は私を腕の中に抱き寄せた。
「……おやすみ、脹相」
「……おやすみ」
目を閉じかけたとき、頭の上から小さな声が聞こえた。
「……明日も、帰ってきたら俺の名前を呼んでくれ」
「……うん」
「……人前では我慢するから」
胸がきゅっとなった。
私は彼の服をぎゅっと掴んだ。