第4章 ※もう一度検体を
「……こちらへ来てくれないか」
「……うん?」
「少し、後ろを向いてくれ」
「後ろ?」
「ああ。……俺と、目が合わないように」
その言い方があまりにも真剣で、私は思わず小さく笑ってしまった。
「……分かった」
彼の前でくるりと向きを変える。
すると、すぐに背後から腕が伸びてきた。
そっと、肩のあたりに触れる。
それから、ためらいがちに。
ぎゅっと。
私の身体が、後ろから抱きしめられた。
「…………」
「……脹相?」
返事はなかった。
代わりに、背中に彼の胸が触れた。
肩に置かれた腕には、力がこもっている。
苦しいほどではない。
けれど、まるで、ようやく手に入れた大切なものを確かめるような抱きしめ方だった。
「……ああ」
耳元で、小さな声がした。
「……やっと、抱きしめられた」
その声があまりにも優しくて、私は胸がきゅっとなった。