第4章 ※もう一度検体を
「……脹相?」
しばらく待っていた私は、そっと廊下へ出た。
彼の部屋の前まで行き、控えめに扉を叩く。
「まだ時間がかかりそう?」
「……ああ。すまない」
扉の向こうから、少し疲れた声が返ってきた。
「ううん、謝らないで。私がお願いしたことだもん」
私は扉の前で、しばらく迷った。
また彼に負担をかけてしまっているのではないだろうか。
そう思うと、胸がちくりと痛んだ。
けれど、同時に、彼の力になりたいとも思った。
「……ねえ、脹相」
「なんだ?」
「私も、手伝わせてもらえないかな?」
少しの沈黙。
私は慌てて言葉を付け加えた。
「もちろん、嫌だったらいいの! ただ、脹相だけに頑張ってもらうのも申し訳ないし……。私にできることがあるなら、一緒にやりたいなって」
すると。
「……分かった」
思いがけず、すんなりと返事が返ってきた。
「えっ?」
「入ってくれ」
「……いいの?」
「ああ」
私は少し驚きながら、扉を開けた。
部屋の中では、脹相がベッドの端に腰掛けていた。
私を見ると、彼は少しだけ表情を和らげたものの、どこか気まずそうに視線を落とした。