第3章 寝ている時だけは
「……ただいま」
日付が変わる少し前、私はようやく帰宅した。
「おかえり」
リビングから出てきた脹相が、私の顔を見つめる。
「……遅かったな」
「ごめんね。今日、五条さんの仕事がなかなか終わらなくて……。それから研究の確認もしてたら、こんな時間になっちゃった」
「そうか」
彼は私の鞄を受け取ってくれた。
「夕食は済ませたか?」
「うん。途中で食べたよ」
「風呂は?」
「入ってきたから大丈夫!」
「……なら、もう寝たほうがいい」
そう言って、脹相は私の頭を優しく撫でた。
本当は、もっと話したかった。
今日あったことを聞いてほしかったし、彼の一日についても知りたかった。
けれど、身体は正直だった。
「……うん。そうする」
私があくびをすると、脹相は小さく笑った。
「ほら、眠そうだ」
「えへへ……」
「明日も早いんだろう。無理をするな」
「脹相。一緒にねてくれる?」
「……ああ、そうだな」
私はありがとうと言って彼の頬にキスをして、寝室へ向かった。
寝室の明かりを消して、二人でベッドに入る。
私は脹相の隣に横になると、彼の胸元にすり寄った。