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③呪術廻戦〜脹相と恋人と絡み〜

第2章 体液がほしい


それからしばらくして。

自室から戻ってきた脹相は、ひどく疲れた顔をしていた。

手には、きちんと密封された検体用の容器がある。

「……待たせた」

「脹相!」

私はぱっと立ち上がった。

「ありがとう!」

「ああ……」

「これで硝子さんに相談できるよ。ちゃんと検査方法も確認して、脹相が安心できるように調べていくね」

「……そうしてくれ」

容器を受け取ると、私は嬉しくなって、にこにこと彼を見上げた。

「本当にありがとう、脹相!」

「……ああ」

「すごく助かる!」

「……ああ」

「これで一歩前進だね!」

「…………そうだな」

返事をするたびに、脹相の肩が少しずつ落ちていく。

最後には、ソファにどさりと腰を下ろし、深々と項垂れてしまった。

「……脹相? 疲れた?」

「……少しな」

「ごめんね……。無理させちゃった?」

心配になって隣に座ると、彼はゆっくり顔を上げた。

「いや。お前の役に立てるなら、それは構わない」

「……脹相」

「ただ……」

彼は私を見て、何とも言えない顔をした。

「……次からは、もう少し心の準備をさせてくれ」

「あっ……うん! ごめんね!」

私まで恥ずかしくなって、頬に手を当てる。

「私も、こんなお願いをするの、すごく緊張したんだよ……?」

「……分かっている」

「本当?」

「ああ」

脹相は小さく頷き、私の手を握った。

「……だからこそ、余計に困るんだ」

「……?」

「お前が恥ずかしがりながらも、俺のためにと一生懸命になってくれるから……」

そこで言葉を切り、再び顔を覆う。

「……俺は、どうしたらいいんだ……」

その声があまりにも弱々しくて、私はとうとう笑ってしまった。

「ふふっ……脹相、大好きだよ」

「……ああ。俺もだ」

彼は疲れ切った顔のまま、それでも私をそっと抱き寄せた。

私はその胸に頬を寄せる。
研究のことは、これから硝子さんと相談していけばいい。

「……脹相、本当にありがとうね」

「……もう分かったから」

「ふふっ。何回でも言うよ」

「……勘弁してくれ」

そう言いながらも、彼の腕は優しかった。
そして私は、彼の胸元で小さく笑った。

……次に硝子さんに会ったら、何を言われるのだろう。

そんなことを考えて、少しだけ不安になったのは、また別のお話。
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