第1章 その胡蝶、閨の教育係にて
交わされる接吻に、流されそうになる。
これでも、閨教育係としての矜恃がある。
は壬氏の閨の帯に手を伸ばした。
シュッ、と衣擦れの音がして、はらりと閨着の合わせが緩み、やがて引き締まった鍛え上げられた筋肉質の肢体が顕になった。
見蕩れてしまう程の均等のとれた肉質。
そっ、と触れようと手を伸ばせば、大きな手により掴まれてしまう。
「そこまでだ···」
「あぁ、ちょっと···!これでは何も出来ません」
壬氏は解かれた帯をから取り上げると、の両手首を頭上へ持って行き、先程の帯でしゅるしゅると拘束してしまった。
ご丁寧にも長い枕にも固定されてしまい、これでは手が出せない。
が慌てたように困惑した様子で壬氏を見れば、壬氏はいい笑みを浮かべているではないか。
嫌な予感しかしない。
「何も出来ないようにしたんだ」
「···壬氏様、マニアックなプレイをお好みで···?」
成長するに連れて、美しい顔に似合わず、性癖が歪んでしまったのでは···と嫌な憶測が浮かんでしまう。
「バカを言うな···言っただろう?女性の感じる所を教えて欲しい、と」
「っ、···!」
今の状況を楽しんでいるのか、何も出来ないをいい事に、壬氏は耳元で囁いた。
甘やかな低い声と、吐息混じりの声音にゾクゾクと背中がむず痒い感覚が走った。
「ん、それは···人それぞれで···」
「ほう······」
「んん、やぁ···」
壬氏の赤い舌が、丁寧にの耳の襞をなぞった。