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蜜月の君と胡蝶の姫【薬屋のひとりごと/R18】

第1章 その胡蝶、閨の教育係にて




(本当に、気が乗らない···)


妃教育の賜物で、今ははんなりとか弱い胡蝶のような雰囲気に、同性の女官達からも見蕩れられているが、実は本性は飛んだじゃじゃ馬娘である。


木登りは好きだし、魚釣りも。


虫も苦手ではないし、蛇やカエルだって物ともしない。


刺繍やお筝、二胡を弾くなら体を動かしていた方が好きだし、父から教わった武術も中々の物であり、棒術だったら負ける気はしない。


なのに、姫として後宮に召し上がってしまった。


求められるのは社交と腹の探り合い。


が欲しいものとは全くの真逆だった。


しかし、姫に召し上がってしまったからには、例え下級妃でも仕事は仕事であり、腹を括った。


そして腹を括った挙句によこされた仕事は、王弟の閨教育係とか言うぶっ飛んだ仕事だった。


(19歳なら要らないでしょうに。閨教育係なんて···)


何だったら自分でどうにか出来る年頃だ。


「姫様、お支度整いました」


「···ありがとう」


考えても仕方があるまい、とため息一つ。


自室を後にして、壬氏の寝所へと足を向けた。



❖・❖・❖



寝所へ着くと、ノックもしていないのに水蓮が静かに扉を開けた。


「お待ちしておりました」


それだけで水蓮は何も言わずに、瞳を細めて笑みを浮かべるだけだ。


「どうぞ、よしなに」


「こちらへ」


案内された扉の先に、もう何年も会っていない幼なじみがいるのだと思えば、今更ながらどんな顔をして会えばよいのか、は少々困惑してしまう。


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