【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第4章 OPERATION④
この3ヶ月、セリーナにとってロイドは、とてもよくできた恋人だった。
ロイドを再調査しても、不審な点はなかった。
恋人として交わした会話でも、彼が語る生い立ちは調査結果と一致していた。
(でも彼は、息を吐くように嘘をつける人間だから…)
セリーナはロイドと初めて出会った夜、彼が咄嗟にセリーナに合わせて演技をした時のことを思い出した。
彼はあの時、完璧な恋人を演じていた。
この3ヶ月も演技をしているのかもしれない。
何も出てこないのだから、ロイドは潔白なのかもしれない。
だけどセリーナは、それだけでロイドが潔白だとは決められなかった。
そんなことを考えていると、机の上の黒電話が鳴った。
セリーナの肩がびくりと跳ねた。
この電話にかけてくる相手は一人しかいないからだ。
「……はい、ボス」
セリーナは緊張した面持ちで電話に出た。
『ミッションが遅れていると報告を受けている』
受話器から響く低い声に、セリーナはごくりと唾を飲み込んだ。
「…多少の遅れはありますが、『ヴェール』にはなんの問題もありません」