【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第5章 OPERATION⑤
ロイドは受信機の前に座ると、そこから漏れてくるセリーナの声を聞いていた。
鞄の中から紙とペンを出し、二人の会話を書き写していく。
セリーナの口からは仕事の相談しか出てきていない。
ローレンも、そんなセリーナに適切な助言を返しているだけだった。
会話に暗号が含まれているかもしれないと、手元に書き写した内容を確認する。
しかし、二人の会話に暗号と思われるキーワードは何もなかった。
「なんだよ。本当に仕事の話か?」
フランキーはロイドの手元の紙を覗き込みながら言った。
ロイドは片手で口元を覆い、セリーナの声に耳を澄ませながら、じっと手元の文字を見ている。
ーーそうなのか?本当にただの仕事の話か?
この二人には仕事以外の関係がないのかと思えてきたころ、受信機からセリーナの穏やかな声が聞こえた。
『大丈夫ですか?お部屋にお連れしましょうか?』
途端にロイドの肩がビクッと跳ねた。
ロイドの背筋を撫で回すようなセリーナの声。
多少の雑音が混じっていても、ロイドはセリーナがこの声を出す時にどんな表情をしているか知っていた。
「おい!!!」
ロイドにはフランキーの声は聞こえなかった。
気が付いたらエレベーターのボタンを押していた。