【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第4章 OPERATION④
この3ヶ月、セリーナの部屋に通って分かったことは、彼女がメモ一つ家に持ち帰らないということだった。
徹底した情報管理は特別秘書官なら当たり前なのかもしれない。
だけど、情報管理と隙は全く別物だ。
私情による綻びは必ず出てくるはずなのに、セリーナはその片鱗さえ見せなかった。
ロイドがセリーナについて知り得たことと言えば、『付き合い始めて3ヶ月の恋人としての情報』くらいだった。
お陰で、セリーナの機嫌が良い時と悪い時の笑顔の違いは完璧に見分けられる。
(…セリーナに盗聴器を仕掛けるのが一番簡単だが…)
商務省は厳重な入庁管理をしている。
入口での持ち物検査。奥へ行けば行くほど徹底される、最新の金属探知機による検査。
彼女に盗聴器を仕掛けるのはデメリットでしかなかった。
(ハルトマン通商から洗い直してみた方が早いか…)
ロイドがそう考えていると、足音もなくセリーナがロイドの背後に立っていた。
「ロイド」
「!!!」
急にセリーナから声を掛けられ、ロイドの肩が跳ねた。
ロイドは拭いていた皿を落としかけ、慌てて受け止めた。