【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第5章 OPERATION⑤
ガタガタと椅子が揺れていたのが、自分の貧乏ゆすりのせいだと気が付いたのは、しばらく経ってからだった。
この3ヶ月間、恋人を演じながらセリーナの全てを把握できていると思っていた。
だけど、ロイドの知らない間にもセリーナの生活がある。
そんな当たり前のことすら忘れ、セリーナが想定外の行動を取っただけで、こんなにも動揺しているのだった。
(落ち着け黄昏…、セリーナが同僚と距離を置いていたと思ったのは思い込みだったんだ。問題ない。新しい情報を処理しろ)
ーーーいいや。
やはり君は職場帰りに同僚と私情の時間を過ごす人間じゃない。
なら、今起きていることはなんだ?
そもそもなんで俺は焦っている?
俺には見せない姿を探るために距離を置き、フランキーに尾行を頼んだんだろう。
セリーナはその戦略にかかったんだ。
彼女は今、普段なら絶対にしないはずの行動を取っている。
ロイドの貧乏ゆすりが止まり、俯いていた顔を上げた。
その時、また電話が鳴った。
「はい!!!」
ロイドは電光石火の速さで受話器を取ると、勢いのまま声を張り上げた。
『お前の彼女、男とホテルに入って行ったぞ』
「!!!!!」
目の前が真っ暗になった。