【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第2章 OPERATION②
「なぜあの朝、何も言わずにいなくなったんですか?あの夜は僕のことを気に入ってくれていると思っていたのに」
ロイドはテーブルに置かれたセリーナの手を握って言った。
際どいロイドの言葉にセリーナは慌ててバーテンダーを見た。
彼は二人から適度な距離を保ちながら、客の会話に干渉することなく仕事を続けていた。
ロイドの手がセリーナの手から離れ、彼女の小さな顎先に触れた。
セリーナの顔を自分の方へ向けた。
セリーナが改めてロイドを見ると、綺麗な男が熱い眼差しで自分を見つめていた。
「どうなんですか?僕の勘違いでしたか?」
そう目尻を下げて言うロイドに、セリーナの目元がわずかに揺れた。
『あなた好みの金髪碧眼じゃない』
エリーゼの言葉が頭の中で繰り返された。
その通りだった。
ロイドの顔はセリーナにとって好みのど真ん中だった。
分かっていた事実を改めて認めると、セリーナの顔が急に赤く染まった。
(なんでこの人、こんなに顔がいいの!?)
まるで誰かがセリーナの頭の中を覗いて描いたかのような男に、熱い眼差しで口説かれている。