【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第2章 OPERATION②
視線の端でロイドを捉えると、彼はセリーナを責めるような、宥めるような顔をしていた。
セリーナは分かっていた。
あの夜、ロイドもまた関係を続けるつもりなどなかったはずだ。
オペラ劇場から始まった出来事は、二人の中ではほんの一瞬の戯れだった。
だからセリーナもロイドの誘いに乗ったし、ロイドもまたセリーナの誘いに乗ったのだ。
それがどうして、今は再会を望んでいたふりをしているのだろう。
「…私が商務省の特別秘書官だと知っていました?」
セリーナは広報活動にも携わっていたので、メディアに顔を出す機会もあった。
経済誌を読む人なら、セリーナを知っていてもおかしくなかった。
「まさか…僕を疑っているんですか?」
「…………」
「初めから分かっていたなら、あの場で君をプロジェクトから外したりはしなかった」
「……そうでしょうね…」
「僕もまさかあそこで再会するとは思わず、驚きました」
ロイドはまるで、嘘をついたことのない青年のように言った。
疑われて傷ついたと訴えるような彼の表情を見れば、それだけで騙される女もいそうだ。