【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第2章 OPERATION②
いくらセリーナに恨まれようとも、ロイドはこのプロジェクトから外れるわけにはいかなかった。
商務省に出入りできる立場を失うくらいなら、先にセリーナを担当から外すしかなかったのだから。
ロイドは立ち上がると、自分の隣の椅子を引いた。
椅子の背に手を置いたまま、ロイドはセリーナを見た。
セリーナは諦めたかのように肩の力を抜くと、勧められた椅子に腰を下ろした。
セリーナが席に着いたのを見て、ロイドは満足そうに微笑みながら彼女の隣に座った。
「改めまして、ロイド・フォージャーです」
「セリーナ・ローゼンよ」
ロイドが差し出した手に目を落としたまま、セリーナは名乗り返した。
セリーナがその手を握ると、ロイドはわずかに指先に力を込めた。
セリーナが顔を上げると、ロイドは目元を和らげて彼女を見ていた。
それはまるで、偶然の再会に浮かれている男のように見えた。
「今日は私が一杯奢りましょう」
あの夜も会計はすべてロイドが済ませたというのに、彼は誘いの口実のようにそう告げた。
「…そう…じゃあ、マティーニをくださる?」