【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第2章 OPERATION②
建物の周囲には手入れの行き届いた植え込みが続き、正面玄関には警備員が二名配置されている。
一見すると、ほかの政府施設と何ら変わらない。
だが、建物の内部には複数の検問所が設けられ、各階へ立ち入るには専用の身分証明書が必要だった。
セリーナは本庁舎から続く石畳の小道を歩き、その建物へ向かった。
警備員は彼女の姿を認めると、わずかに姿勢を正した。
セリーナは上着の内側から身分証を取り出して提示する。
「お疲れ様です」
「ご苦労様」
短い挨拶を交わすと、警備員は重厚な鉄製の扉を開けた。
セリーナは迷うことなく、その奥へと足を踏み入れる。
重厚な鉄製の扉が背後で閉まると、外の喧騒は完全に遮断された。
建物の内部は、外観からは想像もつかないほど広々としていた。
磨き上げられた石造りの床には、革靴の足音が規則正しく響いている。
長い廊下の両側には重厚な扉が並び、それぞれに部屋番号だけが記されていた。
壁には東国の国旗と国家元首の肖像画が掲げられ、その下では制服姿の職員が厳しい表情で通行人を確認していた。
セリーナは最初の検問所で身分証を提示すると、何事もなく奥へと進んだ。