【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第2章 OPERATION②
ロイドはセリーナの手を口元から外すと、その手首を握ったまま、琥珀色の瞳を見つめて言った。
「はい、大臣。私たちは親しい関係です」
ロイドの言葉にセリーナの目つきが鋭くなったが、ロイドは意に介さず微笑んだままだった。
ロイドはフリードリヒへ向き直ると、大げさなくらいに空いた腕を広げて言った。
「この商談は国を動かすほどの大きなプロジェクトになるはずです。その担当者が私と親しい間柄では、どんな不祥事をでっち上げられるか分かりません。彼女をこのプロジェクトの担当から外していただけませんか」
「!!!!」
セリーナはロイドの背中を見ながら、眉間に皺を寄せた。
フリードリヒはロイドの言葉を聞くと、何度か頷きながら顎を指先で撫でた。
「…そうだな。このご時世、痛くもない腹を探られてはかなわん。ローゼン秘書官、申し訳ないが、この案件の担当をアンジェラ秘書官に引き継いでくれ」
(せっかくのターゲットとの接触が…)
セリーナは書類を握る手に力を込めた。
ロイドには、大きなプロジェクトの担当から外された屈辱に震えているように見えただろう。
なによりこの男…。
自分の商談のために一夜の相手を切り捨てた。