【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第2章 OPERATION②
その時、執務室の扉が控えめにノックされた。
「失礼いたします」
落ち着いた女性の声とともに、重厚な扉が開かれた。
ロイドはあの夜、心地よいと感じたセリーナの声を瞬時に思い出した。
ロイドはゆっくりと振り返った。
琥珀色の瞳と碧眼が、互いを捉えた。
セリーナもロイドも、一瞬だけ目を大きく見開いた。
『名前も告げずに別れたあの夜の相手が、目の前にいる驚き』
二人が演じる、完璧な『偶然の再会』だった。
ロイドは驚いた表情を、柔らかな笑みに変えた。
セリーナはロイドが先に口を開くと察し、驚いた表情を崩さずに彼の出方を待った。
「やぁ、ハニー。あの朝急にいなくなるから――」
スパン!!!
セリーナは電光石火の速さでロイドに駆け寄り、その口を塞いだ。
(な、何を言い出そうとしてるの、この人!!!)
セリーナは顔を青ざめさせながらロイドを睨み上げたが、ロイドは碧眼を細めて彼女を見下ろしていた。
「おや。二人は知り合いか?」
フリードリヒの言葉に、セリーナの肩が跳ねた。
ロイドはセリーナの戸惑う様子をじっくり見て、自分の口を塞いでいる彼女の手首を掴んだ。