【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第2章 OPERATION②
職員が扉を開くと、広々とした執務室が姿を現した。
大きな窓からはバーリントの街並みが一望でき、壁一面の書棚には分厚い資料が整然と並んでいる。
その中央に置かれた重厚な執務机から、一人の初老の男性が立ち上がった。
東国商務大臣、フリードリヒ・ヴァルター。
灰色がかった髪を後ろに撫でつけ、上質なスーツを着こなした男は、穏やかな笑みを浮かべてロイドを迎えた。
「ようこそ、フォージャー君。遠いところをよく来てくれた」
「お招きいただき光栄です、ヴァルター大臣」
ロイドは眼鏡の奥の碧眼を柔らかく細めると、差し出された手を握り返した。
「君のような若い人材が、ハルトマン通商の東国事業を任されているとはね。実に頼もしい」
「恐れ入ります。東国との経済協力に、少しでも貢献できればと思っております」
ロイドは淀みなく答えた。
フリードリヒは満足そうに頷くと、執務机の前に置かれた応接用のソファへ手を向けた。
「さて、早速だが今回の事業について話を聞かせてもらおうか」
「ええ。ぜひお願いいたします」
ロイドは穏やかな笑みを崩さず、勧められた席へと向かった。