【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第2章 OPERATION②
「あら、いい男ね。あなた好みの金髪碧眼じゃない」
「……馬鹿なこと言わないでよ…」
セリーナはエリーゼのからかいに一言だけ返すと、最後のページをめくった。
『オペレーション・ヴェール』
「…ふざけたオペレーションコードね…」
それだけ呟くと、セリーナは書類に火をつけた。
空の耐熱容器の中で、書類は燃え尽き、すべての文字と写真が灰になっていく。
ロイドとセリーナに与えられた、同じオペレーションコード。
その意味に、この時の二人はまだ気が付いていなかった。
互いが相手を標的にしていることも、自分もまた相手から狙われていることも。
セリーナは昨夜のオペラを思い出した。
皮肉にも、今度ロザリンデを演じるのは自分自身であるようだ。
『こうもり』が結びつけた一夜。
これは喜劇なのか、悲劇なのか。
セリーナは、こんな偶然があるものだろうかと考えた。
まるであの夜は、何かに導かれるようにして巡り合ったかのようだった。
燃え尽きた書類を見つめ、セリーナは目を細めた。
喜劇なら完璧に演じてみせようではないか。
「…私は最後まで騙して終わらせるわ」
セリーナはそう言って、椅子から立ち上がり、防音シャッターを開けた。
『オペレーション・ヴェール始動』