【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第2章 OPERATION②
「冗談。ここで書類仕事をしているだけじゃ、守れないものもあるでしょう?」
セリーナは天井からエリーゼへ視線を戻すと、小さく笑った。
「私はこの国が好きなのよ。だから、誰にも壊させたくないの」
「相変わらず愛国心が強いこと」
「そういうわけじゃないわ」
セリーナは椅子から立ち上がると、窓を覆う鉄の壁に目をやった。
「私が守りたいのは政府でも、政治家でもない。この国で暮らす人たちよ」
セリーナは静かに言葉を続けた。
「朝になれば仕事に行って、家族と食卓を囲んで、明日も同じ一日が来ると思って眠る。そんな当たり前の生活を、誰にも奪わせたくないの」
エリーゼは黙ってセリーナを見つめていた。
「国が戦争を始めれば、真っ先に犠牲になるのは、戦争なんて望んでいない人たちでしょう?」
セリーナは机に手を置くと、エリーゼに向かって微笑んだ。
「だから、私はこの国を守る。そのためなら、どんな汚れ仕事だって引き受けるわ」
セリーナがそう言うと、エリーゼは意味ありげに微笑んで封筒を差し出した。
「なら、今回のミッションは絶対に受けるべきね」