【SPY×FAMILY】オペレーション・ヴェール【R指定】
第1章 OPERATION①
俯いて目を伏せる彼女から、ロイドは視線を離せなかった。
ロイドも全く同じことを思った。
オペレーションで恋人のふりをしたこともある。
だけど騙した事実は、最後まで相手に悟らせない。
気が付けば、まだ彼女を見つめていた。
そんなロイドの視線に気が付いて、彼女が顔を上げる。
酒のせいか、琥珀色の瞳は潤み、目元がほんのりと赤くなっていた。
「そんなに見つめないでください」
また彼女は揶揄うようにロイドに言った。
だけど、今度ばかりはその揶揄いを軽く受け流せなかった。
ロイドは手を伸ばし、指先を彼女の頬に近づけた。
ロイドの指は彼女の頬に触れずに、イヤリングに絡まった髪をそっと解いた。
指先が肌に触れそうになると、彼女の肩がぴくりと震えた。
「…イヤリングに髪が絡んでました」
ロイドが指を離すと、彼女は視線を逸らして髪を耳にかけた。
「…ありがとうございます」
ロイドはほんのりと頬を染めた彼女の横顔を見ていた。
一杯の約束が二杯になり、三杯目でその時間は終わりを迎えた。
ロイドは会計を自分の部屋につけるように店の者に伝えた。