夢蝕のデバッグ 〜ゾンビと淫触に墜ちる高額アルバイト〜
第2章 バイト1日目 〜ゾンビレイプ〜
は窓枠を握りしめ、ただその光景を唖然と見ていた。
「……ッ!? なに、今の……!?」
パニックになりながら部屋の中を泳ぐように見回し、壁際にあった古いテレビの電源ボタンを押した。
ザーッという砂嵐の後に映し出されたのは、緊迫した表情の男性アナウンサーの姿だった。
『緊急報道特報です。現在、◯◯地区において未知のウイルスが散布され、感染者が狂暴化して人々を襲う事態が発生しています。繰り返します、現在感染が確認されている地域はは◯◯地区のみです』
画面には、地区の境界線に張り巡らされた重厚なバリケードの映像が流れる。
『政府および警察は、感染拡大を防ぐため街の周囲を完全に封鎖しました。救助隊の投入目処は立っていません。無事な住民の方は自力でバリケード設置区域まで避難してください。繰り返します、自力で——』
プツン、とニュース映像が切れ、部屋に静寂が戻った。
「そんな……救助が来ないなんて……」
ここに留まっていても、扉を破ってあのバケモノたちが雪崩れ込んできたら終りだ。
恐怖で足がすくみ涙が溢れそうになる。
しかし、前職での理不尽に耐え抜き、一人で生きていこうと決意した時の強さが頭の片隅で警鐘を鳴らした。
「逃げなきゃ……! このままここにいたら、助からない……!」
は震える手で身近にあった拳銃を握りしめ、街からの脱出を決意して、薄暗い部屋の扉外へと一歩を踏み出した。