夢蝕のデバッグ 〜ゾンビと淫触に墜ちる高額アルバイト〜
第4章 バイト3日目 〜蟲輪姦〜
スタッフは震えるの肩を、親しげにポンと叩いた。
「さあ、仕事です。困惑している暇があったら、もっと良いデータを取らせてください。……バリケード脱出まで、まだまだ先は長いんですから。……ああ、そうそう。今夜のハーブティーは、もっと『効く』ものを用意させますね。良い夢が見られるように♡」
スタッフはそう言ってニタリと笑い、コントローラを握らせると部屋を出て行った。
画面に表示された「GAME OVER」の文字を前に、は全身をガタガタと震わせていた。
(嘘……こんな、こんなのって……)
午前中の映画、そして今のゲームの内容。
それは昨夜彼女が見た、あの悍ましい悪夢そのものだった。
なぜ、自分の夢の内容をこのゲームは知っているのか。
なぜ、ここまで鮮明にその「地獄」を再現できるのか。
(改良……? 私のデータで……?)
さっきのスタッフの言葉が脳裏を過ぎる。
『さんから日々提供していただいている、恐怖や拒絶といったバイタルデータに基づいてリアルタイムでゲーム内容を改良、アップデートしているんですよ』
逃げたい。
今すぐ、このコントローラーを投げ捨ててこの部屋から、この施設から逃げ出したい。
だが、彼女の手元には契約書という名の重い鎖が繋がれていた。
『※本プロジェクトは機密保持のため、完成まで完全住み込み制となります。期間中の途中辞退および外部への連絡は原則不可とします。万が一、契約条項に違反した場合は、莫大な違約金が発生いたします』
違約金。
その額は、新卒で貯金も底をつきかけていたには、到底支払える金額ではなかった。
ここを逃げ出せば、次は借金という地獄が待っている。
前職で受けたセクハラのトラウマ、そして今ここで受けている精神的な凌辱。
それらから逃れるためには、この「仕事」を早く終わらせるしかない。
(……終わらせる。早く、クリアして……この悪夢から、抜け出すんだ)
は溢れ出る涙を乱暴に拭うと、コントローラーを握りしめた。