夢蝕のデバッグ 〜ゾンビと淫触に墜ちる高額アルバイト〜
第3章 バイト2日目 〜ゾンビ輪姦〜
午前中いっぱいを使って鑑賞したゾンビ映画は、救いのない鬱展開と目を背けたくなるようなグロテスクな描写の連続だった。
部屋の明かりが点いた後も、はしばらくソファから動けずにいた。
「……うぅ、あの結末は酷すぎる。最後全員全滅なんて……」
胃のあたりがムカムカする。
正直、食事をする気分にはとてもなれなかったが、ほどなくして運ばれてきた昼食は、最高級の和牛を使ったステーキ重だった。
「……どうしよう。全然お腹空いてないけど……でも、こんな高級なお肉残すなんて勿体なさすぎるよね」
前職の薄給生活では絶対に口にできなかった料理だ。
は青白い顔をしながらも、自分に言い聞かせるように箸をつけた。
「……ん、美味しい。美味しいけど……うぷっ」
口の中いっぱいに広がる肉汁の旨味と、先ほどまで見ていた映画のゾンビが内臓を貪るシーンが脳内で最悪の化学反応を起こす。
涙目になりながらも、はなんとかステーキ重を胃に流し込んだ。
◇
午後の仕事は、昨日のゾンビ脱出ゲームの続きだった。
「よし……今日こそはバリケードまで行くんだから!」
コントローラーを握る手に力を込める。
しかし、ゲームを起動すると、昨夜見たあの悍ましい夢の記憶が蘇った。
昨夜、男のゾンビに押し倒された瞬間のあの生々しい重みと熱。
身体の奥の疼き——。
「アァァァァァ!!」
「きゃあっ!?」
画面の端から飛び出してきたゾンビに、過剰に反応して悲鳴を上げてしまった。
昨夜の夢のせいで、ゲーム内のゾンビが単なるグラフィックに見えない。
まるで本当に画面から飛び出して、自分を襲いに来るような気がして恐怖でコントローラーを持つ手が震えた。
「嫌っ!!……怖い、……来ないで!」
結局、昨日以上のパニックに陥り少し進んではゾンビに噛まれ、リトライを繰り返すことになり進捗は昨日よりもさらに悪かった。
◇
プレイ時間が終わり、パソコンの前に座る。
「……『昨夜の悪夢の影響でゾンビへの恐怖感が前日比で大幅に増大した。ゲーム内の描写がリアルな触感として感じられ、操作に支障が出るほどパニックになった』……と」
震える指で感想を打ち込んだ。