第4章 雄英体育祭編
「うわっ!」
地面が大きく揺れる。
周囲の生徒たちが一斉に振り返った。
「な、なんだ!?」
「ロボが動いたぞ!!」
「まだ動けたのか!?」
「そこの君!危ないぞ!!」
とおもちは生徒から声を掛けられるが、黙ってロボインフェルノを見つめた。
ズシン。
ズシン。
ズシン。
巨大な足が前へ進み、彼女の目の前で、巨大な脚が止まった。
「乗せてくれるかな?」
自分で言っておきながら、あまりにも合理的な答えに笑ってしまった。
「うんしょ!」
彼女はロボの脚をよじ登り、肩へ。
「……高い」
そこから見える景色は、まるで別世界だった。
前方では、生徒たちが必死に障害物を突破している。
その横を――。
巨大ロボが歩いていく。
ズシン。
ズシン。
ズシン。
「……」
彼女は腕を組んだ。
「……これ、ものすごく楽じゃない?」
その頃、後方を走っていた上鳴が、巨大な影に気づいた。
「……ん?」
「……は?」
巨大なロボが歩いている。
その肩には――。
「え?」
見慣れた女子生徒。
「ええええええ!?」
上鳴の絶叫が響き渡った。
「おもちちゃん!? 何やってんの!?」
彼女は肩の上から、ひらひらと手を振った。
「あ、上鳴くん」
「いやいやいや!!」
上鳴が走りながら叫ぶ。
「それ使っていいの!? 競技的に!?」
彼女は少し考えた。
「……使えるものは何でも使うのが障害物競走、でしょう?」
「そういう問題!?」
その横を、切島が駆け抜けていく。
「うおおお!? なんだあれ!?」
「ロボに乗ってるぞ!!」
「めちゃくちゃ頭いい使い方じゃねぇか!!」
一方、観客席。
「……」
「……」
「……」
プロヒーローたちも、しばし言葉を失っていた。
実況席のプレゼント・マイクですら、数秒固まる。
「……えー」
マイクを握り直す。
「これは……」
沈黙。
「これはアリなのかァァァァ!?」