第4章 雄英体育祭編
彼女はようやく、自分が置かれている状況を理解した。
(……ああ。私、ちゃんと「強い生徒」として見られてるんだ)
穏便に情報fだけを拾おうと考えていたけれど、そんな簡単にはいかなさそうだった。
でも、嫌ではなかった。
むしろ、少しだけ、胸の奥が熱くなる。
高校生として、一人の生徒として、彼らと同じ場所に立つなら、答えは決まっている。
彼女は、いつもの穏やかな笑みを浮かべた。
「ふふ」
轟が黙って彼女を見る。
「……」
「受けて立つわ」
周囲が、一斉にどよめいた。
「えっ!?」
上鳴が目を丸くする。
「受けるの!?」
切島も驚きながら笑う。
「マジかよ……!」
緑谷も目を輝かせる。
「二人が戦ったら……どうなるんだ……」
峰田は震えながら呟いた。
「笑顔でとんでもないこと言ってる……!」
一方、轟は、ほんの僅かに目を細めた。
「……楽しみにしてる」
それだけだった。
けれど、その声には確かな敬意があった。
彼女も小さく頷く。
「私も」
その二人を見ていたA組の面々は、ようやく気づいた。
これは、敵対ではない。
互いに強さを認めた者同士の――純粋な勝負なのだと。
そして、まだ開会式すら始まっていないというのに、体育祭に込める思いが熱くたぎる。