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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第4章 雄英体育祭編


心操は思った。
――何だ、あいつ。周囲のA組とは、少し違う。
騒いでいない。自分たちを見物している他学科の生徒たちにも、ほとんど興味を示していない。
なのに、こちらを見た瞬間だけまるで、こちらの奥まで見透かすような目をした。


一方、彼女も心操の目から、何かを感じ取っていた。
(……警戒している)
(でも、逃げない)
(それどころか……私を見ている)

やがて彼女は、視線を柔らかくした。
ほんの少しだけ、会釈する。それだけだった。そして、鞄を手に取る。

彼女は教室を出た。
出入り口では、まだ爆豪たちと心操の問答が続いている。

「俺はお前みたいな奴に興味ねぇ」
爆豪が吐き捨てる。

「そう?」
心操は肩をすくめた。

「俺はあるけどね。A組には」
その後ろには、他学科の生徒たち。
彼女は、その間を静かに通り抜けていく。


その瞬間だった。
「……!」
「……何?」
周囲がざわめく。

「誰、あの子」

「A組にあんな子いた?」

「めちゃくちゃ綺麗じゃん……」

「え、待って。モデルとかじゃないの?」
先ほどまで爆豪と心操のやり取りに集中していた視線が、一斉に彼女へ向く。
けれど彼女は気にしない。

ただ、歩く。そして、心操の横を通り過ぎる、その一瞬。
二人の視線がもう一度交わった。

「…………」

「…………」
言葉はない。
けれど、互いに、何かを感じ取った。
――似ている。
自分と同じように、簡単には本心を見せない人間。
周囲から一歩引いた場所に立ちながら。その目だけは、決して諦めていない。


彼女は心の中で呟いた。

(……心操人使)

名前を覚える。公安で身につけた習慣だった。
気になる人間は、記憶する。
そして心操もまた、彼女の背中を目で追った。



A組。
USJ襲撃事件。
謎の個性。
そして――あの女。

体育祭を前にして。
心操人使の中に、一つ新しい興味が生まれていた。


あのA組の美女は、一体何者なのか。
まだ、二人は知らない。
今後の学生生活で、それぞれの「隠された力」をぶつけ合うことになる二人の――
最初の接点になることを。
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