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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第4章 雄英体育祭編


「……あ?」
爆豪の目が鋭くなる。

切島が振り返った。
「お前、誰だ?」

「心操人使」
少年は名乗った。

「普通科だよ」
その言葉には、妙な静けさがあった。
卑屈でもなければ、怯えてもいない。
ただ、自分が今どこにいるのかを理解した上で、それでも引く気がない。

「普通科ぁ?」
爆豪が鼻で笑う。

「だったら黙って見てろ、モブ」

「……そういうところだよ」
心操は淡々と返した。

「ヒーロー科っていうだけで、自分たちが特別だと思ってる」

「てめぇ……」

「体育祭」
心操は爆豪を見た。
「楽しみにしてるよ」

挑発。けれど、その声に熱はない。むしろ冷静だった。
自分の実力を知らない相手に、わざわざ吠える必要などない。
ただ、機会が来るのを待っている。
――その目。

彼女は、教室の奥から心操を見ていた。
「…………」

知らず、足が止まる。



心操人使。
普通科。
ヒーロー科への移籍を狙っている。
それだけなら、体育祭に向けて意気込む生徒の一人に過ぎない。
けれど、彼女は、彼の目を見た瞬間に気づいた。

(……この人)
目の奥に、諦めていない人間の光がある。
周囲からどう見られようと、自分がどこに所属していようと、与えられた場所に甘んじるつもりはない。
静かに、虎視眈々と、自分の居場所を奪い取ろうとしている。

(……私と、似てる)
もちろん、同じではない。


彼女は公安から与えられた任務を背負っている。
彼は、自分自身の力でヒーロー科への道を切り開こうとしている。
それでも、人の輪の中心に立つより。
少し離れた場所から周囲を見て。
自分の手の内を簡単には明かさない。静かに相手を観察する。
そして、自分が本当に欲しいものを、誰にも言わずに狙っている。


(……面白い)


彼女は心の中で、ほんの少しだけ笑った。

その時。
「……?」
心操がふと視線を動かした。

人垣の向こう、A組の教室。
そこに、一人の女が立っている。
瞬間、目が合った。

「…………」

心操の瞳が、わずかに細くなる。
彼女も、目を逸らさなかった。

互いに何も言わない。ただ、数秒。静かに見つめ合う。
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