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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第4章 雄英体育祭編


そして、その騒ぎを教壇から眺めていた男が一人。
「…………」

相澤消太。
死んだ魚のような目が、教室をゆっくり見渡した。
爆豪は、顔を真っ赤にしている。
上鳴は、机に突っ伏している。
峰田は、胸を押さえて瀕死。
切島は、笑いながら爆豪に絡んでいる。
緑谷は、何故か深刻そうな顔で爆豪を観察している。
女子たちは・・・楽しそうに笑っている。

そして、騒ぎの中心にいる彼女は――
「ふふふ」

この状況を楽しんでいやがる。

 
「…………」
相澤は、ゆっくりと目を閉じた。

「……朝から何やってんだ、お前ら」

誰も答えない。

「体育祭の話をしてるだけなんだが、なぜ負傷者が出てる?」

「負傷者って誰ですか!?」
上鳴が起き上がる。

「お前だ」

「俺!?」

「それと峰田」

「……はい」

「あと爆豪」

「俺は負傷してねぇ!!」

「椅子から落ちただろ」

「チッ…………」
 言い返せない。
 
相澤は深々とため息をついた。

「……体育祭の前に、別の意味でクラスが壊れそうだな」

「先生、私は何もしてませんよ?」

彼女が無邪気に笑う。

「そうだな」
相澤は彼女を見る。

「お前は何もしてない」

「ですよね」

「ただ笑っただけだ」

「はい」

「それで男子が次々に沈んでる」

「…………」
彼女が初めて、少し困ったような顔をした。

その表情を見て。


「…………可愛い」


誰かが小さく呟いた。

「おい」
相澤の声が低くなる。

「頼むから、これ以上けが人を増やすな」

「先生!?」
教室に笑い声が響き渡る。

その中心で、爆豪は真っ赤な顔を隠すようにそっぽを向きながら、拳を握っていた。
――戦闘なら、絶対に負けない。
あの得体の知れない個性も、必ず攻略してやる。
 

そう思っていたはずなのに…
(……クソが)

ちらりと、もう一度だけ、彼女を見る。
目が合った。
彼女が、また微笑む。

「――ッ!!」
爆豪は反射的に顔を背けた。

その様子を見た切島が、とうとう腹を抱えて笑い出す。

「爆豪、お前もう完全に負けてんじゃねぇか!」

「うるせぇぇぇ!!」
相澤は再び頭を抱えた。

――体育祭まで、あと少し。
担任教師の心労だけが、着実に増えていた。
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