第16章 雄英文化祭編
「そう!それこそが、ヒーロー科である我々にふさわしい文化祭の在り方ではないだろうか!」
「飯田、なんか今日、いつも以上に熱いな……」
瀬呂が苦笑した。
「当然だ!クラスの出し物を決めるという重要な議題なのだからな!」
「はいはい」
芦戸が笑いながら手を叩いた。
「でも、そういうことなら、やっぱりみんなで楽しめるものがいいよね!」
その言葉に、轟が静かに口を開いた。
「……ダンスがいいと思う」
「ダンス?」
芦戸が顔を向ける。
「ああ」
轟は手元のタブレットを操作しながら、淡々と説明を始めた。
「仮免補講で、小さな子どもたちと接する機会があっただろ。そのとき、相手に楽しんでもらうには、こっちが何かを教えるだけじゃなくて、相手が喜ぶことを考えるのも大事だと思った」
画面に動画が表示される。
「文化祭も同じじゃないか。俺たちが楽しむだけじゃなくて、見に来てくれる人たちが楽しめるものにする。そう考えたら、ダンスがいいと思った」
轟が再生ボタンを押す。
画面の中では、複数のダンサーたちが軽快な音楽に合わせて踊っていた。
揃った動き。
リズミカルなステップ。
見ているだけで、自然と体を動かしたくなるような明るい雰囲気。
「おお……!」
上鳴が身を乗り出した。
「確かに、これなら盛り上がりそうじゃん!」
「全員で踊るなら、クラスの一体感も出るよね!」
芦戸も目を輝かせる。
「振り付けを工夫すれば、ヒーロー科らしい迫力も出せそうですわ」
八百万も賛同した。
「なるほど……。確かに、ダンスなら、見る側も一緒に楽しめるかもしれないな」
飯田は顎に手を当て、真剣に考え込んだ。
「ただし、ダンスを披露するのであれば、音楽が必要だ」
そのとき、峰田が口を挟んだ。
「そりゃそうだろ。音楽がなきゃ、ただ全員でリズムよく動いてるだけじゃねぇか」
「……それはそれで、ちょっと見てみたいけどね」
瀬呂がぼそりと呟く。
「いや、そういう問題じゃねぇ!」
峰田はすぐに否定した。
「ダンスに合わせたリズム、つまり音楽が必要なんだよ!曲の選び方も大事だし、どうせなら俺たちのクラスらしい音楽にしたいじゃねぇか!」
「音楽、か……」
上鳴が考え込む。