第15章 死穢八齋會
けれど、その声の奥にあるものは、決して軽くなかった。
強大な力を持つことは、彼女にとって誇りであると同時に、危険を引き寄せる理由でもあったのだ。
「……お前、そんなもん抱えて、ずっと一人でやってきたのかよ」
爆豪の声が、少しだけ低くなる。
おもちは困ったように笑った。
「一人ではないわ。公安には仲間もいるし、上司もいる。それに……」
ちらりと、隣のオールマイトを見る。
「叔父さんもいるから」
「……叔父さん?」
緑谷が、ぴたりと動きを止めた。
爆豪も顔を上げる。
今、何と言った?
「叔父さん?」
緑谷がもう一度、確認するように尋ねた。
おもちは不思議そうに二人を見た。
「うん。叔父さんだけど……?」
「「…………はあ!?」」
二人の声が見事に重なった。
今までの説明でも十分に驚かされていたというのに、ここにきて、とんでもない事実が飛び出してきた。
公安に七年間所属している二十一歳の女性。
雄英に潜入し、死穢八斎會にまで潜入した実力者。
その彼女が、オールマイトの姪?
「ちょ、ちょっと待ってください!!」
緑谷が勢いよく身を乗り出した。
「えっ、ええ!?オールマイトとおもちさんが、親戚!?本当に!?えっ、でも、確かに……!」
言いかけて、緑谷は彼女の顔をじっと見つめた。
青い瞳。
その色に、覚えがあった。
オールマイトの瞳と、よく似ている。
普段の姿では気づきにくかったが、今、隣に並んでいる二人を見比べると、目の色だけでなく、ふとした表情にもどこか共通するものがあった。
「……目」
「目?」
「おもちさんの目、オールマイトと同じ色なんですね……!」
緑谷の声が弾んだ。
「言われてみれば……」
爆豪も二人を見比べる。
「確かに似てやがる」
オールマイトは、そんな二人の反応を見て、苦笑した。
「ははは……。まあ、驚くのも無理はないだろうね」
そして、ゆっくりと口を開いた。
「おもちは、私の妹の娘なんだ」
その言葉を聞いて、緑谷は再び固まった。