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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第15章 死穢八齋會


おもちは、爆豪と轟を交互に見つめた。

どうしよう。

せっかく、みんなと楽しく夕食を食べていたのに。

二人が喧嘩を始めてしまいそうだ。

自分のせいで空気が悪くなるのは、何としても避けたい。

そう考えた彼女は、ぱっと顔を上げた。


「……あのね!」


二人の視線が、一斉に彼女へ向く。
おもちは、にこりと笑った。

「私、頑張って食べるから。ね?」

そう言って、何事もなかったかのようにスプーンを握り直す。


そして。

ぱくり。

ぱくり。

ぱくり。

先ほどよりも少しだけ速いリズムで、残りの辛口カレーを口へと運び始めた。

「…………」

爆豪が固まった。
轟も固まった。


周囲のクラスメイトたちも、そろって動きを止めた。


彼女は、二人の間に流れていた険悪な空気をどうにかしようと、懸命にカレーを食べている。


しかも、食べるたびに辛さで頬を赤くしながら。
それでも、最後にはにこりと笑ってみせた。

「ほら、大丈夫だよ?」

沈黙。
そして。



「「「「「「「「違う、そこじゃねぇよ!!!!」」」」」」」」



食堂中から、見事な総ツッコミが炸裂した。


「頑張るところがズレてんだよ!!」


「何でそこでカレーを完食しようとするんだよ!?」


「だから、甘口に取り換えればいいんだってば!!」


「おもちさん、無理はなさらないでくださいまし!!」


「お前、ほんとに何なんだよ……!」


切島も上鳴も、八百万も、芦戸も、全員が口々に叫んでいる。
その騒ぎの中で、爆豪だけは別の意味で頭を抱えたくなっていた。


――こいつ……。
自分がどれだけ人を振り回しているのか、まるで分かっていない。

心配させるわ、無防備な顔を見せるわ、轟に触らせるわ。

挙げ句の果てには、二人の空気を変えるために辛いカレーを食べ続けるだと?



どこまで天然なんだ。
どこまで、目が離せねぇんだ。

「……チッ」

爆豪は乱暴に舌打ちすると、彼女の手からスプーンを取り上げた。

「もう食うな」

「え?」

「え、じゃねぇ。てめぇ、顔真っ赤じゃねぇか」
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