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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第15章 死穢八齋會


緑谷は、動けずにいた。

初めて見る姿だった。

あの、どんな状況でも冷静だった彼女が。

敵の懐に入り込み、命の危険がある任務を遂行してきた彼女が。

クラスメイトたちの前では、いつも余裕のある笑顔を浮かべていた彼女が。

今は、目の前で泣いている。

その姿は、あまりにも無防備だった。


そして――どうしようもなく、美しかった。
濡れた睫毛。
涙に潤む青い瞳。

いつも整っていた表情が崩れ、隠していた感情が溢れ出している。

それは、普段の彼女が決して見せない顔だった。



緑谷の胸が、どくんと跳ねた。
こんな時に、何を考えているんだ。
そう思うのに、目を逸らせなかった。


彼女のことを、もっと知りたいと思った。


今まで知らなかった彼女の一面を見て、もっと近くにいたいと思ってしまった。


守りたい。

この人が、もう一人で泣かなくていいように。

そう思う自分に、緑谷は戸惑っていた。


そして、爆豪もまた、動けずにいた。
――何だよ、これ。


頭の中が、真っ白だった。
泣いている。
あいつが。

いつも余裕ぶって、何でも見透かしたような顔をして、こっちの調子を狂わせる女が。

自分たちの前で、泣いている。

涙を拭おうともせず、困ったように眉を下げて。

まるで、今まで張り詰めていた糸が、ようやく切れたかのように。


爆豪の胸が、強く締めつけられた。



綺麗だと思った。



そんなことを考えている場合ではないと、頭では分かっていた。

彼女は傷ついている。
ずっと一人で抱え込んでいたものが、今になって溢れ出しているのだ。


なのに。
涙を流すその顔から、目が離せなかった。
普段の笑顔も、もちろん好きだった。

けれど、今の彼女は、いつも以上に目を奪われる。
作った笑顔ではない。

誰かを安心させるための微笑みでもない。

ただ、彼女自身の感情が、そのまま表に出ている。

そんな顔を、自分たちに見せてくれた。


それだけで、胸が高鳴った。

「……っ」

爆豪は、思わず一歩踏み出した。
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