第15章 死穢八齋會
「……君たち」
オールマイトの声が、屋上に響いた。
扉の向こうにいた二人が、びくりと肩を揺らす。
「そこにいるのは、緑谷少年と……爆豪少年か?」
沈黙。
逃げることも、誤魔化すこともできなかった。
やがて、扉がゆっくりと開いた。
「……すみません」
緑谷が、気まずそうに顔を覗かせる。
その隣で、爆豪は険しい顔をしていた。
「盗み聞きするつもりじゃ……」
緑谷が言いかけた、その時。
「……っ」
彼女と目が合った。
おもちは、はっきりと目を見開いていた。
驚愕。
動揺。
そして、ほんのわずかな焦り。
彼女がそんな表情を浮かべるところを、緑谷はほとんど見たことがなかった。
いつだって冷静で、何が起きても動じず、どんな状況でも余裕を失わない人。
その彼女が、今は明らかに動揺している。
「……おもちさん?」
緑谷の声が、震えた。
爆豪は何も言わなかった。
ただ、彼女を見つめていた。
先ほどまで感じていた違和感。
彼女が隠している何か。
その答えが、今、目の前にあるような気がした。