第15章 死穢八齋會
「そうですわ! 私たちは、皆さんの仲睦まじいご様子を……いえ、何でもありません!」
「八百万、余計なこと言ってる」
耳郎がすかさず突っ込む。
「まだシナモン入れんなや!沸騰してねえだろが!!!」
爆豪の声がキッチンに響いた。
「あ、わりぃ」
「……見りゃ分かんだろが舐めプ野郎!」
「私の言い方が悪かったかも。ごめんね。縁がポコポコしだしたら、シナモン入れてくれるかな?そうすると香りが広がって、とても美味しくなるの」
「分かった」
「チッ」
爆豪は舌打ちしながら、渋々火加減へ意識を戻した。
その様子に、女子三人は再び顔を見合わせる。
――やっぱり、面白い。
そんな視線を背中に受けながら、おもちは鍋の中身を静かに混ぜていた。
やがて、チャイの香りがキッチンいっぱいに広がる。
温めたミルクに茶葉とスパイスをじっくりとなじませ、最後に甘みを加える。茶こしで丁寧に濾せば、なめらかなチャイティーラテの完成だった。
「できたわ」
彼女がカップに注いでいくと、佐藤がガトーショコラの準備をしながら顔を上げた。
「おっ、いい匂い!」
「ありがとう。佐藤君のガトーショコラも楽しみね」
「任せとけ!」
彼女は三人で作ったチャイティーラテをトレーに載せ、ロビーへ運んだ。
「はい、みんな。熱いから気をつけてね」
一人ひとりにカップを配っていく。
「わ、チャイだ!」
芦戸が両手でカップを包み込んだ。
「すっごくいい匂い! なんか、お店みたい!」
「本当ですわ……。シナモンとカルダモンの香りがとても豊かですわね」
八百万はカップを持ち上げ、立ち上る湯気を眺めた。