• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第15章 死穢八齋會


「……っ!」


壊理は、はっと顔を上げた。
目の前には、傷ついて倒れたおもち。

そして、すぐそばには、緑色の髪のお兄ちゃんがいる。

あの時、おねえちゃんが言っていた人。

自分を助けに来てくれるヒーロー。


壊理は震える足で立ち上がり、緑谷を見つめた。

「……おにいちゃん」

かすれた声だった。


緑谷は、はっと息を呑む。

「壊理ちゃん……!」

少女の目には、まだ恐怖が残っていた。
それでも、彼女は一歩、緑谷のほうへ足を踏み出した。
倒れたおねえちゃんを置いていくのは嫌だった。


でも、おねえちゃんが言っていた。
この人のところへ行くんだよ、と。


だから。

「……たすけて」

壊理は、涙を流しながら手を伸ばした。


「おねえちゃんを……たすけて……!」


その言葉に、緑谷の胸が強く締めつけられた。
自分が攻撃した相手を、壊理は助けてほしいと願っている。


敵だと思っていた女を、壊理は心から慕っている。

いったい、この女は何者なのだろう。


彼女は本当に、治崎の仲間なのか。
考えたいことは山ほどあった。


けれど、今は目の前の少女を救うことが先だ。


「うん……! 壊理ちゃん、大丈夫。僕が守るから!」


緑谷は壊理へと手を伸ばした。

その瞬間だった。


「おい!! 何をしている、役立たずが!!」


治崎の怒声が、地下通路を震わせた。


彼はミリオとの戦闘を一時的に切り上げ、倒れたおもちを睨みつけていた。


「壊理を連れていかせるなと言ったはずだ! 何のためにお前をそばにつけていたと思っている!!」


その声には、苛立ちと怒りが滲んでいた。
おもちは床に手をつき、ゆっくりと顔を上げた。

口元に、わずかな血が滲んでいる。

身体には衝撃が残っていたが、意識は明瞭だった。
/ 745ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp