第13章 ヒーロー仮免試験
爆豪と緑谷が謹慎処分で寮に残ることになり、残りのA組の生徒たちは、いつもより少し静かな顔ぶれで校舎へと向かった。
朝のホームルームまで、まだ時間がある。
廊下を歩きながら、切島と瀬呂が昨日の仮免試験について話していた、その時だった。
「おやおやぁ? これはこれは、雄英高校の誇るA組の皆さんじゃないか!」
聞き覚えのある、やけに芝居がかった声が響いた。
振り返ると、B組の物間寧人が、取り巻きの生徒たちを従えて立っていた。
その顔には、見るからに嫌味な笑みが浮かんでいる。
「いやぁ、昨日は大変だったみたいだねぇ! まさかA組から仮免不合格者が出るなんて! あれだけ偉そうにしていたのに、蓋を開けてみればこの結果! いやぁ、実に興味深い!」
「朝っぱらからうるせぇな……」
切島が眉をひそめる。
「お前、わざわざそれを言いに来たのか?」
「おや? 事実を指摘しただけなのに、ずいぶんと余裕がないじゃないか。これだからA組は困るんだよ。少しばかり注目されたからといって、自分たちが特別な存在だと勘違いしているんじゃないかい?」
物間は大げさに肩をすくめた。
その態度に、瀬呂が呆れたように口を開く。
「へぇ。そういうお前はどうなんだよ?」
「……は?」
「赤点取って補習受けてたくらいだし、まさか今回も物間だけ落ちたんじゃねぇの?」
「ぶっ……!」
上鳴が吹き出し、芦戸も慌てて口元を押さえた。
切島は瀬呂の肩を叩きながら、豪快に笑う。
「おお! 確かに! 自分の心配した方がいいんじゃねぇか?」
「なっ……!?」
物間のこめかみがぴくりと動いた。
だが、次の瞬間には、再び余裕たっぷりの笑みを浮かべる。
「ふっ……ふふふっ! 残念だったね! 我がB組は全員合格!」
「えっ、全員!?」
芦戸が驚きの声を上げた。
「すげぇな、B組!」
切島が素直に感心すると、物間はますます得意げに胸を張る。
「そう! 水が空いたね、A組! いやぁ、これで少しは自分たちの実力を見直す気になったかな?」
轟の表情は、いつも以上に硬かった。