第13章 ヒーロー仮免試験
「次は、絶対に受かる」
静かな声だった。
しかし、その瞳には確かな決意が宿っていた。
一方、爆豪は口角を吊り上げる。
「上等だ。補講だろうが何だろうが、全部叩き潰して受かってやる」
夜嵐もまた、拳を握り締める。
「俺も必ず合格してみせる! 今度こそ、冷静さを失わずに!」
三人は、それぞれの課題を胸に刻みながら、次の挑戦へと気持ちを切り替えていた。
その姿を見ていた彼女の口元が、ふっとほころんだ。
――いい顔。
悔しさを知っているからこそ、次へ進もうとする。
失敗したからといって、夢を諦めるわけではない。
その真っすぐさが、彼女には眩しかった。
自分はどうだろう。
本免許に合格した。
夢にまで見た資格を、手に入れたはずだった。
けれど、その先に待っているのは、自分が望んだものとは限らない未来だ。
一瞬、また気持ちが沈みかける。
しかし、彼女はすぐに顔を上げた。
――せっかく手に入れたものを、利用しない手はないわよね。
公安が自分に本免許を与えたのなら、その資格をどう使うかは自分にも考える余地があるはずだ。
プロヒーローとして活動できるのなら、できることは増える。
守れる人も増える。
そして、公安が自分を都合よく動かそうとするのなら、こちらもその立場を利用してやればいい。
従うか、拒絶するか。
そんな二択だけで考える必要はない。
与えられた状況の中で、自分にできることを見つける。
それは、公安で培った彼女の得意分野でもあった。
彼女は、再びクラスメイトたちへ視線を向けた。
轟はすでに補講に向けて何を改善すべきか考え始めているようだった。爆豪は不機嫌そうな顔のまま、誰よりも強い闘志を燃やしている。