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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第13章 ヒーロー仮免試験


おもちは子どもを安全な場所へと導こうと、ゆっくりと身体を起こす。


その時。


「ハッ! 自分を犠牲にしてまでガキを守るとは、哀れなヒーローだな」


ギャングオルカが、嘲るように笑った。

「そんな傷で、まだ立つつもりか? いいぜ。ガキもろとも、ここで息の根を止めてやる」

その言葉が、彼女の耳に届いた。


おもちの動きが、ぴたりと止まる。
俯いたまま、彼女はしばらく何も言わなかった。
ただ、腕の中から解放された子どもが、恐る恐る彼女の顔を見上げていた。


やがて。

「……そうね」

静かな声が落ちた。


「いつだって、女子供が弱者で、真っ先に狙われる」


彼女は俯いたまま、ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。


「自分の身を守る術を持たない人。戦う力を持たない人。誰かに助けてもらわなければ、生き延びられない人」


その声には、不思議なほど感情がなかった。
まるで、これまで幾度となく目にしてきた現実を、ただ確認するかのように。


「そういう人たちが、真っ先に傷つけられる」


「それが分かっていながら、弱者を助けるとは愚かなことだ!」

ギャングオルカが、さらに言葉を重ねる。


「自分の身を守ることすらできねえ奴を庇って、何になる? 守る価値もない命のために、自分が傷つく必要があるのか?」


その瞬間だった。
おもちの指先が、ぴくりと動いた。

ゆっくりと顔が上がる。

「……守る価値が、ない?」

彼女の声が、わずかに低くなった。
ギャングオルカは、その変化に気づいていないかのように続けた。


「そうだ。力のない奴は、結局、誰かに守られるしかねえ。だったら、戦える奴が生き残る。それが現実だろうが!」


沈黙。
風が吹き抜け、彼女の髪を揺らした。



そして――。

「子どもに泣いて『助けて』って言われて」

彼女は、ゆっくりと口を開いた。

「放っておけるヒーローなんて、いないでしょ?」

その声は、先ほどまでの優しい響きとは違っていた。
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