第13章 ヒーロー仮免試験
その後、八百万と耳郎、蛙吹、障子の四人が通過し、待機所には少しずつA組の面々が集まり始めていた。
しばらくして、緑谷と瀬呂、麗日が姿を現す。さらに遅れて爆豪、上鳴、切島も通過すると、静かだった待機所は一気に賑やかになった。
「みんな、お疲れさま!」
最初に通過していたおもちは、集まってきた女子たちに笑顔で声をかけた。
「ねえ、おもち!一番乗りだったんでしょ?
絡まれたりしてない?大丈夫だった?」
と耳郎が心配そうな様子で尋ねる。
「ああ、うん。実はね……」
おもちは、先ほどの夜嵐との一件を簡単に説明した。夜嵐に声をかけられたこと、少し困ってしまったこと。そして、轟が間に入って助けてくれたこと。
「ええっ! そんなことがあったの!?」
「轟君が助けてくれたのね、それは良かったわ」
「轟さん、心強いですわね。」
口々に心配する女子たちに、おもちはこくりと頷いた。
「ええ。轟君がいたから、すごく安心したの」
そう言って微笑む彼女に、女子たちもほっと胸を撫で下ろす。
しかし、そのやり取りを少し離れた場所で聞いていた爆豪が、鼻を鳴らした。
「はァ? お前、あんなにクソ強ぇ個性持ってんのに、何ビビってんだ?」
あまりにも容赦のない言葉に、女子たちの表情が一斉に険しくなる。
「ちょっと、爆豪さん! そういうデリカシーのない発言は良くないですわ!」
八百万がすかさず声を上げた。
「いくら強いからって、女の子なんやから、怖いときくらいあるやん!」
麗日も頬を膨らませる。
「相手の言動に不安を感じることと、個性の強さは別の話だわ」
蛙吹も静かに続けた。
「爆豪、言い方!」
耳郎が呆れたように眉を寄せる。
女子たちから次々と非難され、爆豪は露骨に顔をしかめた。