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光の裏側で、君と ※ヒロアカの爆豪寄り

第13章 ヒーロー仮免試験


「では、私はそろそろ……」

「お待ちください!!」

「待てないわ」

即答だった。
彼女は身を翻し、逃げ出した。

「あっ!! おもちさん!!」

そして、夜嵐もまた、全力で追いかけ始めた。

「自分の気持ちを、まだ十分にお伝えできていません!!」

「十分すぎるほど伝わっているわ!!」

「ならば、もっと誠意を込めてお伝えします!!」

「そういう問題ではないのだけれど!?」

待機所の中を、美しい少女と逞しい青年が駆け抜けていく。
候補生たちは、ぽかんと口を開けて、その光景を見送った。

「……なんだ、あれ」

「告白って、あんなに命懸けでするものなのか……?」

「いや、絶対違うだろ」

彼女はテーブルの間をすり抜け、椅子を避け、必死に逃げ道を探した。

しかし、夜嵐の脚力は侮れない。
鍛え上げられた身体から繰り出される走りは速く、距離がなかなか開かない。

――どうして、試験会場より疲れる状況になっているのかしら……!

一次試験で相手を制圧したときよりも、よほど頭を使っている気がした。

そのとき待機所の入り口から、一人の少年が姿を現した。

白と赤の髪。
整った顔立ち。
静かな足取り。

轟焦凍だった。

おもちは、その姿を見つけた瞬間、まるで救世主を見つけたかのように目を輝かせた。

「轟くん!!」

「……ん?」

「助けて!!」

轟が反応するより早く、彼女は彼の背後へと飛び込んだ。
そして、彼の背中に隠れるようにして、ぎゅっと衣装の裾を掴む。

「お願い、ちょっとだけ盾になって……!」

「……は?」

突然のことに、轟は目を瞬かせた。
彼女が自分の背中に隠れている。


しかも、困り果てた表情で、自分を頼っている。


――俺を?
胸の奥が、どくんと跳ねた。
彼女が自分を頼ってくれた。

その事実に、ほんの一瞬だけ思考が止まる。

だが、彼女の背後から迫ってくる大柄な男の姿を見て、すぐに現実へ引き戻された。

「おもちさん!! なぜ逃げるのですか!!」

夜嵐が、二人の前で足を止めた。
そして、轟の姿を認めた瞬間。
その表情から、熱意とは別の感情がすっと滲み出た。

夜嵐の声が低くなる。

「エンデヴァーの息子」

轟は、眉を寄せた。

「……誰だ、お前」

その一言に、夜嵐のこめかみがぴくりと動いた。
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