第13章 ヒーロー仮免試験
雄英潰し。
その言葉を掲げて襲いかかってきた他校の生徒たちに、A組は決して屈しなかった。
体育祭から、まだそれほど時間は経っていない。
それでも、彼らの戦いぶりは明らかに変わっていた。
それぞれが必殺技の開発に取り組み、自分の個性を磨き上げてきた。その成果は、単純な攻撃力の向上だけではない。仲間の個性を理解し、互いの弱点を補い合う連携にも、確かな成長が見て取れた。
「こっちから来るよ!」
緑谷の声が響く。
地面の下から、何者かが攻撃を仕掛けようとしていた。
しかし、A組の生徒たちは慌てなかった。
「させない!」
耳郎がイヤホンジャックを地面に突き刺す。
次の瞬間、彼女の個性によって増幅された心音が、大地を震わせた。
――ドンッ!!
地中からの攻撃が、強烈な振動によって弾き返される。
「今だ!」
緑谷が動き、仲間たちがそれぞれの役割を果たす。
誰か一人が突出するのではない。誰か一人に負担を押しつけるのでもない。
互いを信頼しているからこそ、思い切った行動ができる。
そして、その無茶を支えられるだけの力が、今の彼らにはあった。
「体育祭のときとは、まるで違うな……」
戦いの様子を見ていた他校の生徒が、思わず呟いた。
雄英の生徒たちは、単に個々の実力を伸ばしただけではない。
仲間の動きを読み、状況に応じて瞬時に連携を組み替えている。誰かが窮地に陥れば、別の誰かが自然と補う。まるで、全員が一つの生き物であるかのようだった。
その光景を、山岳ゾーンの崖上から冷静に観察している一団がいた。
傑物学園の二年生たち。
その中心にいたのは、真堂揺だった。
「なるほどね。噂どおり、簡単には崩せそうにない」
真堂は、顎に手を当てながらA組の動きを追っていた。
正面から仕掛けても、連携によって対処される。数で押そうにも、個性の組み合わせによって攻撃を分散させられてしまう。
ならば、どうするか。
「連携を崩すなら、まずは指揮系統を乱す必要がある」
真堂の視線が、A組の一角に留まった。
そこには、青い瞳を持つ美しい少女がいた。
おもち。