第13章 ヒーロー仮免試験
「……ん……」
彼女の瞼がゆっくり開く。
「……と、どろき…くん…?」
寝ぼけた声。
「ああ」
彼女はまだ眠そうに目をこすった。
そして、自分が轟に寄りかかっていたことに気づく。
「……あ」
ようやく状況を理解したらしい。
「ご、ごめん。私また寝ちゃった」
「別にいい」
轟は淡々と答えた。
彼女は少しだけ恥ずかしそうに笑う。
「今日こそ大丈夫だと思ったんだけどなぁ」
「左側が暖かいからじゃないか」
「……それ、原因なの?」
「たぶん」
彼女は少し考えて。
「じゃあ、轟くんのせいだね」
「そうかもしれない」
あまりにも真顔で返されて。
彼女は思わず笑った。
少し離れた席では、耳郎がその様子を見ていた。
「……また自然に会話してるし」
上鳴も小声で呟く。
「やっぱあの席ずるいって……」
「まだ言ってんの?」
耳郎が呆れる。
前方では爆豪が舌打ちした。
「試験前に何やってやがる」
そんな声が飛んできて、彼女は慌てて背筋を伸ばした。
轟は窓の外を見る。
もうすぐ仮免試験が始まろうとしている。